Enovique(エノヴィーク)が大切にしているのは、良い素材を選ぶことだけではありません。
どれだけ優れた素材であっても、『どう作るか』によって、その素材が持つ本来の価値は大きく変わる。私たちは、そう考えています。
そこで採用したのが『真空低温スチームドライ製法』、簡単に言えば、乾燥機内を真空状態にすることで水分の沸点を大幅に下げ、低い温度で素材を乾燥させる製法です。
今回は『真空』『低温』『スチーム』という3つの要素が、素材の仕上がりにどのように関わっているのか。
その仕組みをで出来るだけ分かりやすくご紹介します。
Enoviqueの真空低温スチーム製法は一般的な加熱製法よりも低温で加工できる

ペットフード業界では『低温』と言われるもので加工温度は70〜80℃となります。
真空低温スチーム製法最大の利点は一般的な加熱系の製法より低温で加工できる事。Enoviqueでは原料によって多少違いますが、乾燥機内温度を60℃になるよう設定しています。
なぜこのような超低温での加工が可能なのか?それは乾燥機内を真空にする事によって沸点を大幅に下げているからです。

富士山の頂上(標高約3,776m)で水を沸騰させると地上よりも低い温度で沸騰するという話を聞いた事ないでしょうか?
この理由は気圧が低いから。水は『水蒸気になる力』と『周囲の気圧』が釣り合った時に沸騰します。
つまり気圧が低ければ低い程より低い温度で沸騰するという事。

工場などでは圧力を表現する時に絶対圧ではなく『ゲージ圧』を使用するのですが、Enoviqueでは最大で約−92KpaGと高真空下で加工しており、沸点は約45℃まで低下します。
富士山頂上で沸点約87℃、世界一高い山のエベレスト(8,849m)でもケージ圧−67.8KpaGで沸点は約72℃です。
つまりEnoviqueでは真空乾燥機を用いて通常ではあり得ない環境を作り出す事によって超低温加工を実現しています。
Enoviqueの加工温度は60℃前後と説明しましたが、これは真空乾燥機内の設定温度となります。
沸点が約45℃の環境なので製品温度が60℃に達する事はほとんどありません。
※水分がその条件下で抜け切るわずかな時間だけ60℃に達する。
Enoviqueの超低温加工による3つのメリット

では超低温加工する事によって品質上どのようなメリットがあるのか?3つの事が考えられます。
- 酸化しにくい環境下で加工できる
- 熱に弱い栄養素の劣化を低減できる
- 酵素活性を維持する事でアミノ酸の増加などが期待できる
Enoviqueは酸化しにくい環境下で加工できる
多くの飼い主さんがドッグフードの酸化について心配されています。ではドッグフードの酸化とはそもそもどんな化学反応なのかと言うと・・・
ドッグフードの酸化:ドッグフードに含まれる脂質などが酸素と反応し風味・品質が低下する事
さらに酸化反応は温度が高ければ高いほど促進されます。
つまり酸化を低減するには酸素が少ない環境下で低温で加工する事。
Enoviqueの真空低温スチームドライ製法なら・・・
真空→空気を脱気する、当然ながら酸素濃度も低下する。そして真空なので沸点が大幅に低下するので超低温加工が可能
実際にマイワシを用いた試験では乾燥前、乾燥後で酸化の度合いを示すAV値が変化していない事を確認しています。※酸化しやすいオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を豊富に含むマイワシをあえて使用して試験

さらに見た目でも分かるものとしてEnoviqueは素材の色を保持しやすい。
突然ですが犬用ジャーキーの色を想像して下さい。黒っぽいと感じるのではないでしょうか??
こちらはEnovique真空乾燥鹿肉ジャーキーです。一般的なジャーキーに比べて赤く感じるとのではないでしょうか?(もちろん発色剤など添加物は一切使用しておらず完全無添加です)
肉を加熱すると黒っぽくなる理由の一つが生肉に含まれるミオグロビンの鉄が酸化しメトミオグロビンになる一種の酸化反応です。
この様にEnoviqueは見た目からも酸化を低減していると感じて頂けるかと思います。
Enoviqueは熱に弱い栄養素の劣化を低減できる

真空乾燥機での超低温加工は熱に弱い栄養素の劣化を低減する事が可能です。
上の図はビタミンCの含有量について試験結果ですが、真空乾燥の場合、一般的な乾燥方法よりも明らかにビタミンCの含有量が高い事を確認しております。
Enoviqueは酵素活性を維持する事でアミノ酸の増加などが期待できる

酵素は熱に非常に弱く、多くの酵素は50〜70℃くらいでタンパク質が変性、その働きを失います(失活)。
しかしEnoviqueの超低温加工だとパイナップルに含まれるブロメライン活性を調べたところ真空乾燥後でもその活性が残っておりました。
また別の試験だとトマトとニンジンで真空乾燥後にアラニンが増加している事を確認しております。

よく勘違いしている方がいますが、酵素を口から食べたとしても酵素が消化を助けるなどは科学的に考えてあり得ません。酵素はタンパク質の一種なので胃酸によってその活性は失われます。
Enoviqueでは酵素を口から摂取する事では無く、調理中(乾燥中)に酵素が働く事によってアミノ酸量の増加、消化性の向上などに期待しています。(肉や魚の熟成と同じ考え方)
最も重要視するのは安全性|だから真空低温『スチーム』ドライ製法

サルモネラなど細菌汚染の問題があり、Enoviqueでは低温加工である事が絶対に良いとは考えていません。最も重要視すべきは安全性です。
なので真空下で超低温加工する機能に加えてスチームを発生させる機能を有しています。

さらにセンサーによって乾燥中の中心温度をモニタリングする事も可能。
乾燥工程中ずっと超低温状態ではなく、短時間だけ殺菌工程を設ける。そして問題ない温度に達しているかをセンサーにて確認。
こうする事によって素材の魅力を活かしながら安全性にも配慮した製造工程をとなっております。
殺菌工程だけじゃなく、例えばカボチャをスチームで蒸す。その後真空乾燥すると高品質なカボチャパウダーを原料として自社製造する事が可能
Enoviqueの今後について|まずはトリーツ(おやつ)を販売する理由

嬉しい事に多くの方から総合栄養食タイプのフードを販売して欲しい!との声を頂いております。
総合栄養食は原材料を選ぶだけでは完成しません。必要な栄養素を満たすため複雑な配合設計に加え、実際に製造し分析、結果をもとに配合や製造条件を調整する。そんな試行錯誤を何度も繰り返す必要があります。
そのためどうしても完成まで時間が掛かってしまう。
でもEnoviqueが最初にトリーツから販売した理由はそれだけではありません。
まずは真空低温スチーム製法という新しい製造方法そ実際の商品を通じて知って頂きたい。
そんな想いがあったからです。
トリーツは肉や魚など素材そのものをシンプルに加工するため、その魅力をダイレクトに感じて頂けると考えました。
Enoviqueにとってトリーツはゴールではありません。
真空低温スチーム製法の可能性を知って頂くための最初の一歩です。
皆さまから頂いた声にお応えすべく総合栄養食も鋭意開発中です。『待っていて良かった』と思って頂けるフードをお届けできるよう妥協せず開発を進めていきますのでよろしくお願いいたします。
Enovique 翔

